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医学アドバイザーを代表して
乳幼児突然死研究30年のあゆみ
元気な赤ちゃんが突然亡くなってしまう。死後検査にても原因や死を合理的に説明する機序も明らかにできない疾患が、小児科医の間に浸透し始めたのが今から30年ほど前のことです。それまでは、窒息との鑑別に議論が白熱していました。
一方で、そのころSIDS家族の会が中心となって、仰向け寝の推進を提案していました。当時の厚生省SIDS研究班では、原因も機序も不明なのにと、キャンペーンに強い抵抗がありました。
しかし、同じ悲しみを繰り返させないとの強い思いが、社会を突き動かしました。この結果、30年間で発生率は約半分に減りました。
また、診断には解剖が必須ですが、なかなか受け入られませんでした。SIDSの定義改訂後解剖率は改善し、突然死の80%程度になりました。しかし、いまだに原因も機序も不明です。予防法確立と突然の出来事を合理的に理解可能にするために、今後も歩みを止めることなく邁進することが求められています。
メディカルアドバイザー 小保内 俊雅